管理人の真弓知也です。人見知りで富士額な男です。よろしくどうぞ。
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(1)GABA摂取による癒しの効果

GABAの癒し効果・リラックス効果・抗ストレス効果についての、研究・結果などのお話です


ガンマアミノ酪酸とは、体や脳内で様々な働きをする神経伝達物質の名称です。これは、私達の体内にあるたいへん身近な物質なのですが、いきなりガンマアミノ酪酸といわれてもご存知ない方が多いと思います。

では、GABA(ギャバ)という呼び名ならいかがでしょうか? ガンマアミノ酪酸は、一般的に(Gamma Amino Butyric Acid)の頭文字をとってGABA(ギャバ)と呼ばれていますので、こちらの呼び名ならばネットや本屋さんなどで目したことがある方がいるかもしれません。

最近では健康食品や、医薬品にGABAを配合したものが出回ったり、テレビなどでも採り上げられたりして、少しずつ知られてきているようでもありますが、いったいGABAという物質は体の中でどんな働きをしているのでしょう?

GABAの働きを簡単にご説明すると、これは血圧を下げる、中性脂肪を抑える、肝臓・腎臓の活動を高めるなどの働きをしています。そしてこれらの体の健康を保つための働き意外にも心の健康をたもつために“神経を鎮める”といった働きをしています。つまりGABAは、癒しという観点からみると非常に重要な役割を脳内で担っている物質なわけです。

このように、GABAはストレスを緩和するため役割を担う重要な物質なのですが、実はGABAは、脳に有害な物質が進入しないための関所である血液脳関門を通過できない物質なのです。そのため体外から摂取しても脳には到達できません。以前はこの事実からGABAの体外からの摂取には抗ストレス作用は期待できないとされてきました。

しかし最近の研究では、体外からの摂取にも抗ストレス作用があるとされる実験結果が報告され、経口摂取(口からの摂取)などでも癒し効果があることがわかってきました。

癒しに至るメカニズムについては研究段階であり、まだ全容解明には至っていませんが、静岡県立大学横超英彦教授は「アミノ酸は摂取後20~30分で血液中に増える。アミノ酸の一種であるGABAの増加も血管を通じて伝わり、何らかの作用を起こすのではないか」と予測しています。

GABAの体外摂取に関する癒し効果の実験報告

下記は静岡県立大学横超英彦教授(栄養神経科学)を代表に2006年に設立されたGABA・ストレス研究センターによる、GABAを体外から摂取した場合の癒し効果に関する実験報告を簡単にまとめたものです。

(1).GABAが脳波に及ぼす癒し効果
癒し効果の指標になると考えられている脳波、α波とβ波の出現量を、GABA(70mg)を摂取した人たちのグループと水を摂取したグループで測定、比較した結果、GABAを摂取したグループの脳波にはα波の増加とβ波の減少がみられました。この測定結果からGABAの摂取による癒し効果が認められます。

(2).GABAが心拍数に及ぼすリラックス効果
自分自身では調節できない自律神経の働きを、GABA(100mg)を摂取したグループと何も摂取していないグループの、瞳孔の直径と心拍数から測定して比較した結果、GABAを摂取したグループは心拍数が下がり、摂取の30分後には瞳孔の直径が小さくなりました。この測定結果からGABAを摂取した後にはリラックスした状態になっていることがわかります。

(3).高所恐怖症男女らの吊橋におけるストレスをGABAが抑制
GABA(500mg)を摂取した状態と、摂取しない状態で、高所恐怖症の男女8人に高さ50メートルの吊橋を渡ってもらい、スタート前、吊橋の中間地点、渡りきった地点の3地点で、ストレス時に唾液中で減少するグロブリンIgAと、ストレス時に唾液中に放出されるクロモグラニンAの濃度を測定した結果、以下の測定結果となりました。

< 唾液中の免疫グロブリンIgAの分泌量 >

・GABAを摂取していない状態 - 出発前の250μgから中間点、終了時において平均で150μgにまで下がっています。これはストレス下の通常の反応です。

・GABAを摂取している状態 - 出発前と中間地点で、分泌量はほぼ同じ250μg(平均)。さらに終了時には出発前よりも分泌量が高まっていました。

< 唾液中クロモグラニンA(CgA)の放出量 >

・GABAを摂取していない状態 - 中間地点で平均20%程度上昇しました。

・GABAを摂取している状態 - 中間地点で平均20%程度の低下が見られました。

この実験結果から、精神的ストレス下にあるときに通常は見られる神経の昂ぶりが、GABAを摂取している時には抑えられていることがわかります。

さらに、出発前と終了後に心理テストを行なった結果、GABAを摂取しているときには、摂取していないときと比べて、混乱、抑うつ、緊張不安が鎮まっているという結果が得られました。

(4).GABAが睡眠に及ぼす好影響
男性5名が、寝る30分前にGABA(100mg)を飲んだ時と、飲まない時との深部体温(直腸温)と脳波を測定した結果、GABA摂取時には就寝直後の体温の低下速度が速くなりました。眠りに入ると自然に体温が低下する人体の性質から、GABAを摂取した時は、摂取しない時に比べて寝つきが良くなったと考えられます。

さらに脳波測定では、GABAを摂取した時は、摂取しない時に比べ深い眠りに入るまでの時間が短く、また深い眠りの時間が長くなりました。

この実験結果で、GABAの摂取は深い眠りに入りやすくし、質の良い睡眠を保つ効果があることが観察されました。

以上が、GABA・ストレス研究センターによるGABAの体外摂取に関する実験報告の一部ですが、さらに詳細な情報をお求めの方は、下のリンクをご利用下さい。

・GABA ・ストレス研究センターのホームページへ

GABA(ギャバ)・ストレス研究センター 代表
横越英彦氏(静岡県立大学教授/農学博士)
1970年京都大学農学部水産学科卒業。75年名古屋大学大学院農学研究科博士課程修了後、同大学助手、83年~85年米国マサチューセッツ工科大学研究員を経て、87年静岡県立大学助教授就任。93年より食品栄養科学部栄養学科教授(現在は大学院生活健康科学研究科教授兼任)。日本農芸化学会評議員、日本栄養・食糧学会評議員他多数の学会役員・評議員を兼務。

GABA(ギャバ)・ストレス研究センター 参画者
古賀良彦氏(杏林大学教授/医学博士)
1971年慶応義塾大学医学部卒業後、同大学医学部精神神経科学教室入室。76年杏林大学医学部精神神経科学教室に転じ、90年に同大学助教授、95年に教授、01年主任教授となり現在に至る。日本臨床生理学会理事、日本薬物脳波学会副理事長、日本催眠学会会長他多数の学会役員、評議員を兼ねる。精神保健指定医、日本ブレインヘルス協会理事長。

ここまでの説明で、GABAの癒し効果については十分ご理解いただけたのではないかと思いますので、次ページ以降は、GABA摂取の問題点や解決法などを交えた、具体的な利用法についての解説にうつりたいと思います。